「Retraction/退避設定」は3Dプリンタの操作において重要な調整項目です。エクストルーダーから樹脂を溶かして一層ずつ積層しますが、一つ上の層の開始点に移動する際に糸引き現象が発生します。いわゆる「ヒゲ」の原因になります。

先日ご紹介した下記のサイト内の記事が分かりやすかったので、引用します。
Slic3r | Retraction / 退避設定 / 3Dプリンタの設定をいじる / Slic3r まとめ

重要なのが、フィラメントの引き込み量であるLenghtと、ノズルの退避量であるLift Zです。

Lenght


Lift Z



大雑把な傾向ですが、数十mm以上の成形物の際はLift Zを大きくするとヒゲが発生しづらくなりますが、それ以下の成形物の際はLift Zを大きくすると成形物を途中で蹴倒す現象が発生します。小さい成形物の際はこれを小さくすると成形物が美しくなる傾向があります。

あとは、ノズル退避後の最少移動量(Minimum travel after retraction)も重要です。


移動量が5の場合



移動量が15の場合

この最小移動量を大きくすれば、無駄なretractionが減り造形時間の短縮につながります。小さめの成形物の際にはこの最小移動量を大きくしておけば、かえって成形品質が上がる傾向があります。