省力化機械で日本の労働力人口の減少に立ち向かう会社のブログ~自動機の開発・設計・製作から3Dプリンタ、治具の設計製作まで~

地域密着型で自動機・省力化機械の設計・製作・機械開発をしています。近年は基板設計の優位性を活かして3Dプリンタや「かんたん電子看板」などの開発・製作・販売を行っています。

スライスソフト

スライサーソフト比較参照記事


3Dプリント用のデータを作るためには、まずは3DCADで図形を描かねばなりませんが、その次にそれを輪切りにするスライサーソフトでGコード用のパスを描く必要があります。

そのスライスソフトの比較参照記事が下記です。
これから3Dものづくりに入門する人がインストールしておきたいソフト7選 - 3Dプリンター 3D-CAD SolidWorks|株式会社 札幌立体データサービス

3つのスライサーソフトが紹介されています。
  1. slic3r
  2. KISSlicer
  3. Simplify3D

3つにはそれぞれの長所があります。弊社はこれまでslic3rを使ってきましたが、KISSlicerもしくはSimplify3Dに移行する方向です。


【3Dプリンタ】Retraction/退避設定(Slic3r)


「Retraction/退避設定」は3Dプリンタの操作において重要な調整項目です。エクストルーダーから樹脂を溶かして一層ずつ積層しますが、一つ上の層の開始点に移動する際に糸引き現象が発生します。いわゆる「ヒゲ」の原因になります。

先日ご紹介した下記のサイト内の記事が分かりやすかったので、引用します。
Slic3r | Retraction / 退避設定 / 3Dプリンタの設定をいじる / Slic3r まとめ

重要なのが、フィラメントの引き込み量であるLenghtと、ノズルの退避量であるLift Zです。

Lenght


Lift Z



大雑把な傾向ですが、数十mm以上の成形物の際はLift Zを大きくするとヒゲが発生しづらくなりますが、それ以下の成形物の際はLift Zを大きくすると成形物を途中で蹴倒す現象が発生します。小さい成形物の際はこれを小さくすると成形物が美しくなる傾向があります。

あとは、ノズル退避後の最少移動量(Minimum travel after retraction)も重要です。


移動量が5の場合



移動量が15の場合

この最小移動量を大きくすれば、無駄なretractionが減り造形時間の短縮につながります。小さめの成形物の際にはこの最小移動量を大きくしておけば、かえって成形品質が上がる傾向があります。


3Dプリンタ成形物の溝構造発生を防ぐためには~印刷開始位置の設定~

3Dプリンタに習熟した人向けの情報ですが、成形物に下記写真のような溝構造発生することがあります。
4qmsg

下記の記事にあるように印刷開始位置の設定を変えれば、この問題を解決できます。
印刷開始位置の設定を試す - FIGROBOKOUBOU

Slic3rの設定画面で「Print Settings」タブを選択し、「Layers and perimeters」を選択します。
seamposition


「Advanced」→「Seam position:」が、各レイヤーの印刷開始位置の設定です。次の3種類が選べます。
  • Random:各レイヤーで異なる位置をランダムに選択。
  • Nearest:凹状の非オーバーハング頂点を選択。存在しない場合は、凸状の非オーバーハング頂点を選択。いずれも不可の場合、非オーバーハング頂点を選択。候補の中で前のレイヤーの開始点に近い点を選択。
  • Aligned(標準):Nearestと同じロジック。前のレイヤーの開始点に最も近い点を選択。これは、つなぎ目が整列することを意味する。
初期設定では「Aligned」になっていて開始点が各層で揃っているため、溝構造が発生しています。これを「Random」にすると、各層の開始点がバラけるので溝構造発生を防ぐことはできます。ただ、側面の美しさの点では「Aligned」の方が良いです。溝構造発生が目立たない箇所に発生する場合は「Aligned」を選択することをおすすめします。

【3Dプリンタ】任意の高さで積層ピッチを違わせる方法


3Dプリンタで成形することに習熟すると、少しでも材料を節約して、かつ短時間で成形したいと思うようになります。

その時に役立つのが下記のノウハウです。

参考記事
ブログ「前略。」より
任意の高さで積層ピッチを変えられる?!slic3rの可変レイヤ?!を試してみた!! | Un-industrial (非産業化)


精度と積層ピッチの細かさ、そして成形時間は比例します。しかし、少しでも材料を節約して、かつ短時間で成形するためには積層ピッチを粗くする必要があり、精度が犠牲になります。

そこで、精度が必要ない箇所は積層ピッチを粗くして、精度を必要とする箇所は積層ピッチを細かくするのが上記のノウハウです。

上記サイトに掲載されている画像がイメージをつかみやすいと思います。
merGcode_03


上記で引用したソフトでもできますし、スライサソフトslic3rでもできます。

ぜひ試してみて下さい。


【slic3r】3Dプリンタスライスソフト:リファレンス


3Dプリンタを使う上で、スライスソフトが大きな要素としてあります。

スライスソフトとは、成形物の3次元データであるSTLファイルを薄い輪切りにスライスしてGコードというプログラムに変換するソフトのことです。主要ソフトはCuraSlic3rがありますが、弊社で使っているのはSlic3rですので、それに絞って話を進めていきます。

まずは、いつも参照しているリファレンスを整理するところから始めます。今後、追記・更新・変更することがあります。

公式マニュアル
Slic3r日本語マニュアル
slic3r簡易マニュアル(サンタのイノベーションブログによる試訳)
 翻訳ソフトにかけただけだが、上記公式日本語マニュアルの未翻訳部分は、特にエキスパートモードやコマンドラインなど参考になる。
Slic3r Manual - Welcome to the Slic3r Manual
  英語原文マニュアル

参考ブログ
3Dプリンタの設定をいじる / Slic3r | 目次 / Slic3r 使い方
バージョンが古くて現バージョンには当てはまらない項目もあるが、とても分かりやすく各項目が説明されていて、現バージョンにおいても十分に参考になる。


関連記事:Gコード
G-code/ja - RepRapWiki
 直接スライサソフトと関連のある項目ではないが、Slic3rを見ていてGコードを触りたくなった時に参考になる。

038 3Dプリントの為のG-CODE - -世界遺産模型の- ばーちゃわーるど
 3DプリンタのためのGコード入門。ちょっと手を入れたい時にこれを見てコマンド名が分かるのは良い。

3Dプリンターの造形精度を左右するGコード(G-code)をチェックしてみよう!【モデルプリントの壁】 - 3Dモデリングによる3Dデータの活用法とデジタル・ファブリケーションの実践!
 Gコードの入門編から、Gコードシミュレータ、そしてエディタまで様々な情報が詰め込まれている。


Tips
Change infill density in a specific section on a 3D model for 3D printing.
 ピンポイントだが、密度を必要な箇所だけ増やして不要な箇所は減らすノウハウ。もっとSlic3rを使いこなしていきたい。



ギャラリー
  • 3Dプリンタサービスの紹介動画の公開(YouTube)
  • かんたん電子看板サービスの紹介動画の公開(YouTube)
  • 3DプリンタRaise3D Pro2 による造形物
  • 3DプリンタRaise3D Pro2 による造形物
  • 3DプリンタRaise3D Pro2 による造形物
  • 3DプリンタRaise3D Pro2 による造形物
  • 3DプリンタRaise3D Pro2 による造形物
  • 3DプリンタRaise3D Pro2 による造形物
  • かんたん電子看板設置事例
プロフィール
(有)イージー・エンジニアリングは、富山県にある地域密着型で自動機・省力化機械の設計・製作・機械開発を一気通貫で行う企業です。近年は基板設計の優位性を活かして3Dプリンタ「かんたん電子看板」などの開発・製作・販売を行っています。 連絡先 TEL:0765-83-3521 FAX:0765-83-3522 EMail:info@ez-eng.jp
プロフィール

ez-eng

タグクラウド
MAP
  • ライブドアブログ