省力化機械で日本の労働力人口の減少に立ち向かう会社のブログ~自動機の開発・設計・製作から3Dプリンタ、治具の設計製作まで~

地域密着型で自動機・省力化機械の設計・製作・機械開発をしています。近年は基板設計の優位性を活かして3Dプリンタや「かんたん電子看板」などの開発・製作・販売を行っています。

樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例

樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例(5)~ホースガイド(1)~


 3Dプリンタ成形品はガイドの試作に適性があります。ガイドは対象ワーク次第ですが、必ずしも精度や強度を必要としないからです。加工費がかさむ複雑形状であっても失敗を恐れずに、最適形状を模索して何度も試行錯誤ができるのも3Dプリンタの良いところです。

 下記の写真はホースガイドの一つです。黒色であるため見づらいですが、切削加工では高コストになる部品です。
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 3DCAD図ではこのようなイメージです。
ホースガイド


切削による同等部品加工想定価格と、成形に要した材料費の比較
★加工費用¥50,000、納期:3.5週間

★3Dプリンタによる試作
成形費用¥1,200、成形時間:4時間

 実際には最適形状を追求せずに、代替形状を考えでお茶を濁すことになると思いますが、もしこの形状をそのまま加工するとすれば、コスト約3/100納期約2/100程度の劇的な改善事例となりました。樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例(1)を超える、切削加工代替品ならではの破壊的な改善効果となりました。

 当時はとても忙しくてこの破壊的な改善効果に無頓着でしたが、改めて数値化して自分自身で大変驚いています。3Dプリンタを使うとコストや納期の足かせを軽々と乗り越えていくことができます。この画期的な試作・製作プロセスを多くの方に体感していただきたいです。

 

樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例(4)~クランプ治具~


 3Dプリンタ成形品は治具の試作に適性があります。加工費がかさむ複雑形状であっても失敗を恐れずに、最適形状を模索して何度も試行錯誤ができるのが3Dプリンタの良いところです。


 下記の写真はクランプ治具の第一段階です。ワークのクランプ具合の確認のため、そして、顧客にイメージを掴んでもらうために3Dプリンタで試作しました。
クランプ治具第一段階

 打ち合わせの結果、クランプ具合はOKなので、後はワークが見えるようにスリットを入れようということになりました。写真は一枚だけですが、スリットについても何通りか試した上でこのスリットのパターンを採用しました。
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 模索して本製作したのが下記写真です。
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切削による同等部品加工想定価格と、成形に要した材料費の比較
★クランプ治具×試作回数3回
加工費用¥45,000(¥15,000×3)、納期:7.5週間(2.5週間×3)

★3Dプリンタによる試作
成形費用¥2,400(¥800×3)、成形時間:4.5時間(1.5時間×3)

 最適形状を試行錯誤する上で実際には追加工でお茶を濁すケースが多いと思いますし、代替形状を考えることになると思いますが、もしこの形状をそのまま加工するとすれば、コスト約1/20納期約1/35程度の改善となりました。樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例(1)と同様、切削加工代替品ならではの破壊的な改善効果となりました。

 もちろん代替形状や代替加工でも実現可能な治具ではありますが、最適品質と顧客満足度が犠牲になります。3Dプリンタを使うとコストや納期の足かせを軽々と乗り越えていくことができます。

 この画期的な試作・製作プロセスを多くの方に体感していただきたいです。

 

樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例(3)~テープ走行ガイド~


 3Dプリンタ成形品はガイド部品に最も力を発揮します。

 「樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例」シリーズでは様々な事例をご紹介しますが、ガイド部品が一番多くなります。ガイド部品は理想を追求すると複雑形状になり高コストになるので、たいていは板金を用いて簡易的なガイドにしてお茶を濁すことが多いです。

 ところが、3Dプリンタは切削工程がないために理想を追求してどれだけでも複雑形状にすることができます。今回はその一例です。

 これはテープ走行ガイドです。写真のようにアルミフレームに設置して、テープ幅に併せてスライド調整することもできます。アルミフレーム上をスライドするために突起を付けてガイド性を持たせています。
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 このような理想を追求した突起形状を削出加工しようとすると加工工数がかさみます。この事例こそが3Dプリンタの強みです。


切削による同等部品加工想定価格と、成形に要した材料費の比較
★テープガイド2個
¥20,800(納期:2週間)→¥1,000(成形時間:2.5時間)

 実際は代替形状を考えることになると思いますが、もしこの形状をそのまま加工するとすれば、コスト1/20納期1/20程度の改善となりました。樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例(1)と同様、切削加工代替品ならではの破壊的な改善効果となりました。

 この画期的な試作・製作プロセスを多くの方に体感していただきたいです。

 

樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例(2)~センサドグ・カバーホルダ~


 樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例(1)の機械に付随して、センサドグカバーホルダを成形しました。

 ドグは3Dデータで掲示した下記の2点構成です。
 片方のドグに六角部にナットを仕込めるように設計して、もう一個のドグに長穴を切ってドグ間でスリット位置を調整した上でボルト締結できるようにしました。
 板金加工とセットカラーなどをうまく組み合わせれば、従来方式でもそれほど高コストにはならないかもしれませんが、設計の自由度と部品点数の少なさでは断然こちらに優位性があります。納期については言うまでもなくこちらの方が早いです。
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 下記がカバーホルダです。板金で折り曲げ加工すれば安く上がるかもしれませんが、設計の自由度や部品点数の少なさではこちらに優位性があります。納期については言うまでもなくこちらの方が早いです。
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組み上げたのが下記写真です。
CIMG2075カバーホルダ



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切削による同等部品加工想定価格と、成形に要した材料費の比較
1.センサドグ[スリット入り板金2枚、セットカラー2個]
¥5,800(納期:1.5週間)→¥600(成形時間:2時間)

2.カバーホルダ[折り曲げ加工板金2個]
¥7,000(納期:1.5週間)→¥800(成形時間:2.5時間)

部品製作に要する費用と時間
¥12,800(1.5週間)→¥1,400(1日)

 板金加工代替品のため強度が保証できるよう肉厚にしたこともあり、コスト1/10納期1/10程度の改善となりました。樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例(1)の切削加工代替品ほどの破壊的な改善効果はありませんが、それでも省コスト・短納期の代表とされる板金加工品と比べても1/10のコスト削減効果があるのは3Dプリンタの破壊的なパワーを実感できる事例です。

 この画期的な試作・製作プロセスを多くの方に体感していただきたいです。

 

樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例(1)~機構部品~


モータやソレノイド以外の全ての構成部品を3Dプリンタで試作・検証しました。

構成部品は写真の下記の4点です。

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組み上げたのが下記写真です。

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このように動作します。



切削による同等部品加工想定価格と、成形に要した材料費の比較
1.¥9,800(納期:2週間)→¥300(成形時間:1時間)
2.¥15,000(納期:3週間)→¥600(成形時間:2時間)
3.¥11,000(納期:2週間)→¥800(成形時間:2.5時間)
4.¥6,000(納期:1週間)→¥500(成形時間:2時間)

部品製作に要する費用と時間
¥41,800(3週間[15日])→¥2,200(1日)

なんとコスト1/20、納期1/15程度です。
この後、手直しは何度かありましたが、基本的にはこの機構を引き継いで納品しました。しかも、対象ワークが同等の樹脂だったので、精度的にも強度的にも問題ないと考えて3Dプリンタ製の部品のまま納品しました。

この画期的な試作・製作プロセスを多くの方に体感していただきたいです。


 
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(有)イージー・エンジニアリングは、富山県にある地域密着型で自動機・省力化機械の設計・製作・機械開発を一気通貫で行う企業です。近年は基板設計の優位性を活かして3Dプリンタ「かんたん電子看板」などの開発・製作・販売を行っています。 連絡先 TEL:0765-83-3521 FAX:0765-83-3522 EMail:info@ez-eng.jp
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