省力化機械で日本の労働力人口の減少に立ち向かう会社のブログ~自動機の開発・設計・製作から3Dプリンタ、治具の設計製作まで~

地域密着型で自動機・省力化機械の設計・製作・機械開発をしています。近年は基板設計の優位性を活かして3Dプリンタや「かんたん電子看板」などの開発・製作・販売を行っています。

2017年07月

トイレットペーパーホルダーのフタ~3Dプリンタを生活に活用する①~


3Dプリンタを生活に活用するために、とても参考になる事例がありましたので、こちらでシェアします。

3Dプリンターの使い方初級編【あんなモノも作れるのか…】 | My Tech Lab
holder01

リンク先ブログから拝借した写真ですが、トイレットペーパーホルダーのフタの部分が破損したので、それを3Dプリンタで成形・再現するというコンセプトです。

設計の手間も材料費も大してかからないので、おすすめできる活用事例です。





CADとは何か?


3Dプリンタでものづくりをしたい人にとって、必要なツールがCADです。

CADとは、Computer-Aided Designの略で「パソコン上で、設計するソフト」のことです。

2次元の図面を製図するのが2次元CAD(2DCAD)で、かつてはドラフターと言われる製図板の上で
紙と鉛筆で図面を描いていましたが、それが電子化されたイメージです。2次元CADのデータは2Dデータのため、3Dプリンターが必要な3Dデータは作成できません。2次元CADのデータを利用して、3次元CADで3Dデータを作成する必要があります。

3次元CAD(3DCAD)は、図面も描けますが、主に3Dデータを作成するのに使われます。3次元なので、X軸とY軸の他に、Z軸が追加されます。

3DCADは、3Dプリンター用のデータも出力できますが、ほとんどは、機械や金型を3次元設計したりCAD/CAM(切削加工するためのソフト)で利用するデータ作成に使われます。3Dプリンタに出力する場合は、名前を付けて保存、もしくはエクスポートで「STL」として書き出します。

3DCADは、ハイエンド、ミドルエンド、ローエンドの3つの価格帯があります。
ハイエンドは、CATIAやProEなど、
ミドルエンドは、SolidWorksやICAD、Inventorなどが主要どころです。
ローエンドは、現在このブログでもよく取り上げているFusion360がとても高機能です。

3Dプリンタに出力するためのデータ作製はFusion360でも十分ですので、まずはここから習熟することをおすすめします。

参考リンク
CADで3Dデータを作成する その1!誰でもわかる、CADって何? | 中山木型製作所
CADで3Dデータを作成する その2!ソリッドになったデータをSTL出力してね
3DCADの種類


3Dプリンタ成形物における公差


最も普及している3Dプリンタは、積層式(FDM)の樹脂成形のものです。これは安価で普及しやすいものですが、工作機械による機械加工と比べると精度に難があります。

そのため、用途を見極めながら3Dデータを設計する際に調整することが必要です。

下記の記事では±0.2で中央公差で設計することを推奨していますし、それが私も現実的だと思います。
3Dモデルは必ず中央公差にて設計すること | 技術者が語る 3Dプリンターのいろは | リコー

もっと踏み込んで言えば、成形した日の気象条件やフィラメントの状態によっても精度が左右されることがあります。ですので、精度を必要とする部品を成形する時は、まずは試作品を造形して3Dデータとの誤差を確認して、それを成形に反映するという手順が必要です。


ラスターベクター変換~写真から立体をつくるためには~


3Dプリンタが一家に一台導入される!!

と喧伝された時代がありましたが、現実には一向にそんな時代が訪れそうもありません。その際の一つの障壁になっているのは、写真から立体をつくることの難易度の高さです。

例えば、下記の記事にあるように写真から3Dデータを構築することには膨大なコストがかかります。

文字通り次元が違うから難しいのは当然ですが、2Dデータ→2D印刷の容易さからは到底理解できないくらい困難です。

一つのきっかけになるのが、ラスターベクター変換です。下記の記事にもあるように、
ベクターデータ = 点を結んだ要素(線、ポリラインなど)。CADで利用できるデータ

で、写真や画像をCADデータに変換するわけです。2次元のCADデータにさえ変換できれば、あとはそれを押し出したり手を入れたりすれば3Dデータのできあがりです。

例えば、下記の無償ソフトがあります。
Online Image Vectorizer
Online image vectorizer(ドイツのソフト)

あるいはイラストレーターでラスタ画像をベクタ画像へ変換するというアプローチもあります。
[Illustrator] ラスタ画像をベクタ画像へ変換する ? 画像トレース ? プログラミング生放送

3Dデータのモデリングは大変深い世界ですが、まずはその入口としてここから着手してみてはいかがでしょうか。ロゴを作ってみるのは面白いと思います。


ミニ四駆モーター用エンコーダ基板の製作


自動化機械を専門とする弊社にとって、エンコーダは回転数を検知して制御するためにとても重要な部品です。

しかし、既製品のエンコーダは最低でも数千円するのが通常で、高付加価値の一品料理の自動機であればためらわず使えるものの、量産機においては安価に回転数を検知するエンコーダを別途内製する必要があります。その内製のための工数も必要です。

その中で、本記事にあるエンコーダ基板製作の試みは興味深いものです。実際に製作して機能を検証していないので推奨はしませんが、機会があれば試作してみたいと思います。

ミニ四駆モーター用エンコーダ基板の製作(1) - なんでも作っちゃう、かも。
ミニ四駆モーター用エンコーダ基板の製作(2) - なんでも作っちゃう、かも。


ギャラリー
  • 3Dプリンタサービスの紹介動画の公開(YouTube)
  • かんたん電子看板サービスの紹介動画の公開(YouTube)
  • 3DプリンタRaise3D Pro2 による造形物
  • 3DプリンタRaise3D Pro2 による造形物
  • 3DプリンタRaise3D Pro2 による造形物
  • 3DプリンタRaise3D Pro2 による造形物
  • 3DプリンタRaise3D Pro2 による造形物
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  • かんたん電子看板設置事例
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(有)イージー・エンジニアリングは、富山県にある地域密着型で自動機・省力化機械の設計・製作・機械開発を一気通貫で行う企業です。近年は基板設計の優位性を活かして3Dプリンタ「かんたん電子看板」などの開発・製作・販売を行っています。 連絡先 TEL:0765-83-3521 FAX:0765-83-3522 EMail:info@ez-eng.jp
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